レモン ゆず シトロン

イタリア料理

イタリアにある有名なノンアルジュースで、cedrata というものがある。これはcedroという果物からできていて、日本名をシトロンという、そこでシトロンって何って日本人は考え込んでしまう。

実際シトロンなんて八百屋で見たことないし、味わったこともない。ではシトロンってなんなんであろうか? 
ここでこの問題を難しくしているのが、タルトオシトロンとかウィークエンドシトロンとか呼ばれるというフランス菓子の存在である。これはレモンで作るケーキであるが。フランス語ではレモンがシトロン、シトロンがセドラ(イタリア語のcedro)となっておりややこしく、(おそらくこの現象は言葉が伝わる時に誤解から意味がこんがらがってしまうよくある現象であろう)日本ではほとんどの人がレモンとシトロンを同一視している。

シトロンは学名をcitrus medica といいレモン(citrus limon)とは別の果物であり、両方とも原産地はインドである。元々は果汁を飲料とするより、学名から解るように医療目的で用いられていた。レモンとの主な違いは 果汁が少ない、実が大きい、表面がレモンのようにツルツルしてなく、やや乾いた感じでゴツゴツしていて形のバリエーションもいろいろある。ここでイメージしにくい方は大きなゆず、と思っていただければいいであろう。実際ゆずは 英語ではcitron とよばれている。またfinger-citronと英語で呼ばれているタイプは元々中国では釈迦の手(仏手柑、ブッシュカン)と呼ばれており、実は日本にも中国経由で、食用ではなく、観賞、こうりょ目的で江戸時代に日本に伝わっている。(レモンが伝わったのはヨーロッパ経由で明治時代であり、実はシトロンの方が早い 😱)

また和名でクエン酸の語源となった枸櫞という言葉があるが、元々シトロンを意味する言葉であったようだが、現在ではレモンとシトロンが混同されておりレモンおよびシトロン両方を含めて指す言葉となっている。

イタリアにはchinotto(イタリア人に言わせるとドリンクは有名だが実は見たことがない、という人が多い)bergamotto(日本のゆずに近い)など色々な柑橘類がありまた他の機会に記事を書こうと思う。

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